麦穂6月号巻頭言 イエスさまについて行く 主任司祭 細井保路
2023/6/7
イエスさまについて行く 細井保路(ほそいやすみち) 6月4日に、高木神父様が初ミサに来てくださいました。4月29日に仙台の司教座聖堂で叙階された高木健太郎神父様は、去年一年間、金沢教会に司牧実習に来てくれていました。司祭としてミサを捧げてくださる姿は、とても頼もしく見えました。なんだか、私たちの共同体から司祭を生み出したような、うれしく誇らしい気持ちになりました。 叙階記念のカードには、マルコ1章17節の「わたしについてきなさい」という言葉が書かれていました。ペトロたち4人の漁師は、この言葉に応え、網を捨ててすぐにイエスさまに従ったのでした。叙階式のミサの福音朗読にもこの箇所が選ばれていました。 イエスさまは、「私に協力してくれ、神さまのところへ人を集める仕事をしよう」と誘われたのです。高木神父様も、人生のどこかで同じ声を聞いたのです。「私について来なさい」「私に従いなさい」というイエスさまの呼びかけを繰り返し聞きながら弟子たちは成長していきます。 イエスさまは、これから苦しみを引き受けなければならないと語られたとき、「私に従いたいなら、自分を捨て、自分の十字架を背負って従いなさい」と言われました(マルコ8・31~37)。 また、「私たちは、何もかも捨ててあなたについて来ました」とペトロが言うと、イエスさまは、「すべてを捨てた者はすべてをもっと豊かに受ける。つまり、永遠のいのちを受ける」と答えます(マルコ10・28~30)。 そして、復活された後、漁をしていた弟子たちのところに現れたイエスさまは、ペトロに向かって、「私の羊の世話をしなさい。そして、私に従いなさい」と念を押されました(ヨハネ21・15~19)。 最初のイエスさまの誘いは、「イエスさまと一緒に、神さまのところへ人を導くこと」だったのですが、最後には、「イエスさまと一緒に、すべての人を心にかけること」を命じられます。つまり、「神さまの思いを、自分の思いにしなさい」ということです。神さまの思いで心を満たして、イエスさまについて行くことは、司祭の心構えというだけではなく、誰にとっても大切なことです。これからたくさんの出会いを通してイエスさまの弟子として歩む高木神父様を応援しながら、私たちも、各々の場所で、イエスさまから離れない生き方を大切にしていきましょう。