麦穂3月号巻頭言 ローズマリー 主任司祭 細井保路
2025/3/16
ロ―ズマリー 主任司祭 細井保路(ほそいやすみち) 冬から春にかけて、薄紫のローズマリーの花が、枝にびっしりと咲きます。特に2月、3月頃に花が増えて来て、ちょうど四旬節の時期と重なります。教会の庭にも一株あり、この時期に小さな花をたくさんつけて、四旬節が来たことを思い起こさせてくれます。花の小ささは、「あなたがた皆の中で最も小さい者こそ最も偉大である」(ルカ9・48)というイエスさまの言葉を思い出させます。神の国つまり神さまが治める世界で、最も偉大なのは神さまですから、神さまは同時に最も小さな存在だということができます。そして、イエスさまは、わたしたちの存在を高め引き上げてくださる生き方を貫いて、神さまのなさりかたを示されたのです。 「なによりもまず、神の国と神の義を求めなさい」(マタイ6・33)というイエスさまの言葉について考えてみましょう。 「神の義」とは、神さまが「よし」とされること、つまり神さまが望まれることです。神さまが何を望んでおられるか実は私たちは知っています。それは、すべての人が救われることです。平たく言えば、「みんなが幸せになること」です。当たり前のことなのに、私たちは知らないふりをしたくなります。「みんな」の中には、私が好きになれない人や、私にひどいことをした人も含まれるからです。 「神の国」とは何でしようか。神さまが治める世界は、神さまが望んでおられる通りの世界ということですから、神さまがどうやってみんなを幸せにするのか、どうやってすべてを救われるのかを知らなければなりません。 イエスさまは、この世界を治める神さまのなさり方は、この世の権力者が支配するような仕方ではないと繰り返し語ります。人よりも下に立って、他者の存在を高めるような仕方で救うのだと言うのです。私たちも、たとえば、わが子のために自分のことをちょっと後回しにすることができます。しかもそれは辛いことではないのです。その気持ちをもっと大きくしていったら、それが神さまのなさり方だと言えます。底辺から人を支えて引き上げる、背後にまわってそっと人を前へ押し出す、そんなふうに一人ひとりの存在を高めるのです。そのために、ご自身がもっとも小さな存在であることを引き受けられるのです。私たちも、どれほど小さく見えても、相手を支え生かす力持つ、神さまの働きを身に帯びることができるよう心掛けましょう。